ホームランよりも、続くヒット

ビジネスチャンスなどという言葉を使うと仰々しく、おおげさに感じる。
しかし今のような不況では、少しの工夫で少し売り上げを伸ばす、ヒットをつないで点を取るような商戦が繰り広げられているのではないだろうか。

その一つが、スーパーでよく見かける、関連商品を近くにディスプレイする方法だ。
お肉コーナーに、お鍋の素や、から揚げ粉を置くことで、消費者が一緒に購入しやすくなるのだ。
今や、当たり前のことになっているが、最初はほんの小さなヒットだったのかもしれない。


誰でもホームランを狙いたがる。
だが、その多くはヒットに終わることが多いだろう。

私はそれで構わないし、それが大切だと思う。
ふとした思いつきを胸の内に秘めるだけでなく、実行に移すことが大切だと考えるからだ。
消費者に受け入れられてこそ、優れたビジネスをしたと言える。

ビジネスの好不調を景気のせいにしたがる経営者は多いが、それはビジネスプランが脆弱ということを棚に上げているに過ぎない。
事業と言うのは、一本ではリスクが大きすぎるのである。
複数の事業で倒産のリスクを低減するのである。

もちろん事業は100%当る保証は無いが、スタートしなければそもそも成功は無い。
不況時でも売上の上がるアイデアを練ったりすることも、リスクヘッジのひとつであるが、何もせずに悩んでいるだけの経営者は意外に多いものである。

だからこそ、コンサルティング業界が手を差し伸べる。

人生の視点

スケールを変えるとおもしろい。
新しい見方ができ、アイデアや発想が湧きやすい。
意識的に変化させないとむずかしいから訓練が必要かもしれないが、自分が思いついた尺度で、ものの見方を人に説明するとおもしろがってくれることは間違いないだろう。

「新しい視点」というのは、どんな分野においても重宝されることであるが、その視点も分解すれば色々とある。
視る人を変えるとか、単位を変えるとか、変えるべき視点を探す事から始めるのもいいだろう。
視る人を変えるというのは、自分視点で考えていたものを異性の視点にとかお客さんになり得る人の視点にすることである。
動物や機械の視点になるというのもおもしろいだろう。
単位を変えるというのはいささか物理的だが、今まで重さが大事だと思い込んでいた商品の長さに着目してみるとか、そんなことである。
ここに遠くないのだが、スケールを変えてみると世界が違って見えてくる。
スケールとは大きさのことだが、「スケール感」という言い方で使われる場合とほぼ同じ意味だ。
虫の視点で観てみたり、鳥の視点で俯瞰してみたりすることが大事だということはコンサルティングの世界なんかでよく言われているようだ。
例えばこんなこともそうだ。
一日という単位ではなく、何時間という言い方をする。
これは単位の変換でもあるし、スケールを変えたとも言える。
高校生の時、明日がテストの日で、放課後皆で残って勉強をしていた。
「もう時間がない。明日がテストだなんて」と焦る友達がいたが、私は「いや、あと16時間あるよ!たくさん勉強できるよ」とスケールを変えて言ってみた。
すると、どうだろう。
逆にそんなに勉強する時間があるのか、と思えるようになり、友達は笑って「ありがとう!」と言ってくれたのだった。

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