帰省

地元から離れて進学するのは、私の地元では当たり前のことです。
なぜなら、地元に大学がないから。
小さな田舎町ですから、地元で仕事を見つけるのも一苦労。

ですから、大抵は町から離れて過ごします。
そんな私たちも、お盆やお正月は、親元へ帰ります。
小さい町ですから飲みに行く場所も大抵決まっていて、中学や高校の同級生のご両親がやってる店で飲んでしまうのが常になっていました。

田舎に帰った日に、たまたま高校の同級生から連絡が来て、2,3件先の店で飲んでいるから来ないかとのお誘い。
気軽な気持ちで、出かけてくと、そこは、同期の知り合いが3グループほどいました。
その中に、中学の時から大好きだった彼がいたのです。

久しぶりの再会でした。
進学のために出発する前の日に会いに来てくれた彼とは、帰省のたびに連絡を取り合っていました。
年に2回の帰省は彼とデートするための帰省だったのです。

しかし、お互いの生活があり、彼は地元で結婚しました。
その時点から私たちはどちらからともなく連絡するのをやめていたのです。
ですから、この偶然は必然に思えて、電話をくれた友達グループではなく、中学の時の同級生グループである彼の隣に座り、たわいのない話をしたのです。

もちろん、そのあとのことなど考えていませんでした。
今は、年に1度だけ連絡を取ります。
年賀状のやり取りをしているのです。
そこには、「年末に帰ります」とか、「今年は、年が明けてから帰ります」とだけ書いています。

そして、私がいるだろう時に携帯ではなく家に電話をかけてくれます。
二人がうまく合えばその帰省の間に一度だけ逢うのです。

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